雇用環境が変化。「これからの時代の働き方」とは



労働人口減少による人手不足、経団連会長が表明した「終身雇用の見直し」、大手企業が45歳から早期退職者を募るという事象から囁かれる「45歳定年説」――など、働く人を取り巻く環境は大きく変化しています。

「人生100年時代到来」が叫ばれ、70歳~75歳まで働くことも現実的となってきました。

そんな社会の変化に伴い、「これからの働き方」はどう変わっていくのでしょうか。

ビースタイルの調査機関『しゅふJOB総研』所長の川上敬太郎が、最近の傾向と今後の予測をお伝えします。



AIやロボットに仕事を奪われたら……人に求められる役割とは?




人材不足が深刻化していますが、その一方では、これまで人がしていた仕事を代替する新しいテクノロジーが登場しています。

「AI(人工知能)やロボットが人間の仕事を奪う」とも言われており、漠然とした不安を抱いている方も多いようです。


では、本当に人の仕事はなくなっていくのでしょうか。

正確に言えば、「仕事が丸ごとなくなる」というより「仕事の中のいくつかのタスクがなくなる」と捉えた方が実感に近いと思います。


例えば、ある人が担当する職務には大きく分けて5つのタスクがあったとします。そのうち、1と2が自動化されれば、3・4・5のみになります。

しかし、タスクが減ったままになるわけではなく、1・2の手間が省けた分、新たな役割が追加されることになります。

その役割が、これまでとは質の異なるものになる――ということが起こってくるのです。


実際、すでに起きている例を挙げてみましょう。


ある人事労務担当者は、これまでExcelで就業時間のデータをとりまとめ、従業員ごとの残業時間数の集計を行っていました。そこにRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入。

残業時間の集計を自動的に行い、残業が規定の上限時間に近づいている人には自動的にアラートを出す仕組みができました。

その労務担当者は「集計する」というタスクがなくなった分、残業時間が多くなる原因を分析し、改善策を考える業務に注力するようになっています。


「本当はやったほうがいいけれど、できていないタスク」というのは、実はたくさんあるのです。

改善すべきなのに放っておかれているもの、あるいは課題として発見・認識すらされていないものが存在する。

ルーティンワークをRPAに任せることで、より深い課題分析・改善の業務に取り組んでいけることになれば、働き方に変化がもたらされるでしょう。




これまで必要とされていたスキルが必要とされなくなることも起こり得ます

先の例でいえば、RPAによる代替によって「集計のためのExcelスキル」を活かす機会が一つなくなるわけです。

そこで、今まで取り組んでこなかった新たなスキル、あるいは成果を出すための手法などを身に付けていくことが重要になります。


これは、派遣社員に限ったことではありません。

正社員と呼ばれる働き方の社員含め、働く人すべてに起きることです。



雇用のスタイルには「メンバーシップ型」と「ジョブ型」があります。メンバーシップ型は、先に人を採用してから仕事を割り当て、ジョブ型は仕事に対して人を割り当てます。

日本ではもともとメンバーシップ型が主流であるのに対し、全雇用者の2~3%ではありますが、派遣社員というジョブ型の働き方も広まってきました。

さらに、最近は正社員の働き方にもジョブ型が見られるようになり、ジョブ型がさらに広がっていきそうです。


また、2020年4月からは、働き方改革の一環として「同一労働同一賃金」関連法が施行。これは、同じ職場で同じ仕事をしている正規雇用者と非正規雇用者の賃金・待遇の格差を解消しようとするものです。一方で、正社員と派遣社員に、同等の生産性を求めるようになることも考えられます。


これからの時代、これまでと異なる役割が求められるようになることを想定し、今のスキルをより高めていく、あるいは別領域へスキルを広げていくことが必要となるでしょう。



求められる人材であり続けるために、準備しておくべきこと



では、現在、派遣で働いている方はどのようにスキルアップを図るか。

まず始めるとしたら、目の前の業務を「分析してみる」ことだと思います。


先ほどもお伝えしたとおり、専門性が高い仕事といえどもルーティンのタスクはRPAなどに置き換わっていくことが考えられます。

そのとき、RPAではできない価値を発揮することが求められます

そこで、自分自身の業務を分析し、課題を探してみる。

見つけた課題に対する改善策を考えてみる。

そして、機会があれば提案し、実際に改善を実行する経験を積んでみる――そのようにして新たなスキルを磨いてみてはいかがでしょうか。


派遣は、契約により担当業務の範囲が定められていますので、プラスアルファの仕事に手を出すことを認めない職場もあるかと思います。

けれど、自分の中で「準備しておく」ことに意義があります。

自分なりに「これが課題なのではないか」「こうすればいいのではないか」という考えを持っておけば、実際に課題分析や改善を担当する社員の仕事を見ながら、「合っていた」あるいは「違っていた。なぜ違っていたのか」といった検証ができ、思考をブラッシュアップしていくことができます。

「トレーニング」と捉え、業務に一歩踏み込んで考えて仮説を立てるように習慣づけることは、スキルアップの一手段として有効だと思います。


このように、すぐにアウトプットできるように準備しておけば、新たなチャンスもつかみやすくなるでしょう。

そして、より生産性が高い仕事を担い、会社に貢献できるようになれば、時給アップにもつながり、他の事業や企業からも必要とされる可能性も高まります。



これからの時代、キャリアは自分自身で磨いていくもの



「自分は何ができるか」「どんな成果を出し、どう貢献できるか」――時代のニーズの変化を見ながら、自分自身を分析し、これから必要な知見・スキルを考える。

足りないものがあれば、それを身に付けるために何を学べばいいかを考えることが大切です。

先ほど触れたように、自分の業務を分析してみるほか、ビジネススキルを高めるセミナー、e-ラーニング、動画など、学べるツールはたくさんあります。

さまざまなツールを駆使して、新しい知識を吸収していってはいかがでしょうか。


これからの時代、キャリアは人任せにするのではなく、自分自身で磨くもの。

自分で自分のキャリアに責任を持ち、目の前の全てのものを学びの機会に変えていく意識が必要なのではないでしょうか。

自分を柔軟に変化させていくことで、これからの働き方・仕事の選択肢を広げていただきたいと思います。





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